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トサハエトリ

Tasa koreana (Wesołowska 1981)

国内では高知県および本州から記録あり。体長 4 mm 前後。本種のメスはもともとコウライハエトリ Pseudicius koreanus Wesołowska 1981 として北朝鮮より記載され、現在トカラハエトリのオスとして知られるクモがペアのオスとされていた。しかし、形態学、生物地理学および分子系統学的検討によって、トサハエトリ Tasa nipponica Bohdanowicz & Prószyński 1987 が正しいペアのオスであることが示された。したがって T. nipponicaP. koreanus の新参異名となり、また P. koreanus はオスの触肢の形態から Tasa 属へ転属された (概念図参照)。和名コウライハエトリは複数種を指してしまう恐れがあるが、和名トサハエトリはその恐れがないため、和名はトサハエトリの方が採用されている。雑木林の樹幹などに見られる。今後各地からの記録が期待される。
[写真のメス個体の採集に協力してくださった新井浩司さん、下野稔さんに心より感謝申し上げます。]
 
論文: Suguro T. & Yahata K. 2014 Taxonomic notes on Japanese species of the genera Pseudicius and Tasa (Araneae: Salticidae). Acta Arachnologica, 63: 87-97.
 
オス (茨城県産)。頭胸部は黒く、腹部は灰色。地味と言わざるを得ないがそこそこ珍しい。
メス (東京都産)。全身灰色で腹部には暗色の模様が波打つ。ジャバラハエトリコジャバラハエトリとの違いを説明するのが難しい。
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